23日のボクシング・ダブル世界戦でWBAライトフライ級のV6を達成した田口良一(30)、IBFミニマム級王座を奪取した京口紘人(23)が所属するワタナベジムの渡辺均会長(67)が24日、田口の王座統一戦実現の見通しを語った。

 田口は一夜明け会見で「気づいたら6回防衛した。なんだかんだでここまで来た」と自身の防衛ロードを振り返って感慨深げ。試合は「自分の打たれ強さを信じた」と9回24秒でTKO勝利を収めた。30歳を迎えたが、特に年齢的な衰えは感じていないという。WBO世界ライトフライ級王者の田中恒成(22=畑中)から統一戦をアピールされ、「それに向けて自分もレベルアップしたい」と決戦を見据えてさらなる成長を誓う。

「日本ボクシング界を盛り上げたい」という信念のもとジムを運営してきた渡辺会長は、田口VS田中の統一戦について「乗りかかった船」と応ずるつもりだ。もちろん、田中が9月13日のV2戦(VSパランポン・CPフレッシュマート)をクリアすることが大前提で、年末にはセッティングされる予定。大みそか決戦もささやかれるが、渡辺会長は「一概には言えない」と乗り気ではない。それどころか「大みそかだと紅白(歌合戦)ともぶつかるし…」と、世間の関心が統一戦から遠のくことを危惧する。

 実は、大みそか決戦へのこだわりは、田中の所属する畑中ジムが本拠を置く名古屋のCBCテレビの意向が大きいという。プロモーションの間で興行権争いが早くも勃発しているのだ。

 ビジネスのリング上には一足先に熱い火花が飛び交うが、“落としどころ”はどうなるのか。