元WBO世界バンタム級王者で亀田三兄弟の三男・亀田和毅(25=協栄)の完全復活が持ち越された。

 10日、東京・後楽園ホールで「モラレス3兄弟」の三男イバン・モラレス(25=メキシコ)とノンタイトル10回戦(56キロ契約)で対戦し、判定3―0で勝利。予告していた5~6回でのKOを逃した後は両者相打ちの接戦となり、和毅は「タフな相手だった」。それでも試合中に「和毅コール」が上がったことはうれしかったようで、アンコールをお願いした。

 ただ「世界前哨戦」と位置づけた一戦だ。フルマークとはいえ、3月の国内復帰初戦に続く判定勝ちには悔いが残る。モラレスの長兄は元4階級制覇王者のエリックで、次兄は元WBO世界スーパーフライ級王者のディエゴ。協栄ジムの金平桂一郎会長(51)が「モラレスの名前があったから、そこは(相手も)意地がありましたよ。最後のラウンドまで逆転しようとした。そういう選手を潰すのはなかなか大変」と話したように、モラレス家の誇りにKOを阻まれた。三兄弟の長男で元3階級制覇王者の興毅トレーナー(30)は「前回より2~3センチ踏み込めている」と評価したが、相手のガードを崩すことができず、パンチの精度を欠いた。威力という部分でも不十分だった。モラレスも「効いたパンチはなかった。和毅は相手を一発で倒すタイプではない」と印象を語った。

 この日は忍者のコスチュームで入場した和毅は「まだ忍者にはなれていないです…」と反省。金平会長は「ダメージもないので、あとはタイミングですね。焦ってはないです」と世界戦を視野に入れつつ、次戦を年内に実現させたい意向だ。