IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ(21日、東京・有明コロシアム)は王者の八重樫東(34=大橋)が暫定王者のミラン・メリンド(29=フィリピン)に1回2分45秒でTKO負けを喫し、王座から陥落した。

 わずか165秒で3度のダウンを喫し、ライトフライ級史上最短での完敗だった。最初のダウン時点で、八重樫には余裕があるようにも見えた。しかしメリンドに押し込まれると、左アッパーで2度目のダウン、3度目は右ストレートを被弾した。ダメージは明らかでレフェリーはカウントを途中でストップ。「激闘王」の持ち味を出せずに終わった。

 試合後は「(ストップされたのが)何回かわからなかった」と混乱状態だったが、異変は前日20日からあった。計量後、ほとんどコメントをしないまま控室へ戻った。スタッフを通じ「相手が相手(暫定王者)なので集中したい」との理由だったが、普段は気さくに取材対応する姿とのギャップに違和感を抱いた関係者は多かった。

 20日には拳四朗(25=BMB)がWBCチャンピオンとなり、ライトフライ級は主要4団体の王者がすべて日本人となったが、それも一夜限りだった。今後の去就について八重樫は「自分を奮い立たせるものがあれば、また立ち上がる」と話すにとどめた。