ユニークトレで王座奪取だ。WBO世界バンタム級7位の大森将平(24)が4月23日にエディオンアリーナ大阪で、同級王者のマーロン・タパレス(24=フィリピン)に挑戦する。22日に所属のウォズジムが発表した。

 大森は昨年大みそかにIBF同級王者リー・ハスキンス(33=英国)を相手に世界初挑戦することが決まっていたが、王者の負傷によってキャンセルの憂き目に。この無念も晴らすべく、来週から行う沖縄合宿では「船釣りをします」(大森昌治会長)。

 大森は2015年12月に「世界挑戦者決定戦」でタパレスと対戦し、2回TKO負け。ダウンした劣勢から立て直せなかったのが敗因だった。こうした苦い経験から再戦へ向け「(船釣り特訓は)三半規管を鍛えるためです。だから酔い止めも飲まないし、沖に出て船を止めたらシャドーもやらせるつもり」(同会長)と大真面目なものだ。

 さらに京都に戻ってからは、フィリピンからパートナーを呼んで「1対2」のスパーリングを敢行。「1対2」とは通常、相手が1ラウンドごとに交代したり、前後半で入れ替わることを意味するが、同時に2人を相手にする“ハンディキャップマッチ”だ。目的はスピードに慣れるため。「あの速さを持った選手は日本にいない」(大森会長)と、これもタパレス対策だという。

 破天荒に思えるメニューにも大森は「前回の試合でも、これぐらいしておけば良かったと思う」と迷いはない。ハスキンスからは4つ星ホテルに試合2週間前から滞在することを要求されたが「今回(タパレス)は『アパホテル』でOK。いいヤツや」(大森会長)。ついでにベルトも置いていってくれれば、本当に“いい人”なのだが…。