前WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志(37=ワタナベ)が13日、これまで明言していなかった進退について注目発言だ。埼玉・春日部税務署で行われたインターネット納税システム「e―Tax」のPRイベントに参加し「他の人の試合を見ていると、自分もやりたくなることがある」と話した。

 さらに「最近は朝走って、午後はジムに行って体を動かすという毎日です」とも。まるで現役のような生活リズムは「本当にやりたくなった時に、体力が落ちているとまずいので」と説明する。

 昨年4月のV12戦で現王者のジェスレル・コラレス(25=パナマ)に2回KO負けし、同大みそかの再戦でも1―2で判定負け。同じ相手に連敗ではさすがに引退と思いきや「近々スパーリングをして、瞬間の反射神経がどうかを試してみたいんです」(内山)。この手応えを踏まえた上で進退を発表する意向だ。

「もしやるなら他の団体(の王者)でもいいかな」とまで示唆し、現役続行に傾いていると見られるが、関係者からは復帰戦の相手について「コラレスでいいのでは」との声も上がっている。

 コラレスはWBO同級王者のスーパースター、ワシル・ロマチェンコ(28=ウクライナ)との統一戦が浮上したものの、内山戦の終盤にクリンチで逃げまくったことが「体力がなさすぎる」と酷評されて消滅した。PPV視聴者をどれだけ増やすかが重要視される米国ではこのスタイルは致命的。相手探しに苦労している状況だけに、内山陣営がオファーすれば受ける可能性は十分にある。

 他団体の動向を見てもロマチェンコは4月に次戦が、WBCは元王者でランク1位の三浦隆司(32=帝拳)が次戦での王座挑戦が決定した。これらの結果を待ってから交渉を開始したのでは、対戦がいつになるか分からない状況。現役続行ならコラレスと「3度目の決戦」という意外な選択肢が有力になりそうだ。