ボクシングの2016年度年間優秀選手の表彰式が10日、都内で行われた。

 MVPに選ばれたのはWBC世界バンタム級王者の山中慎介(34=帝拳)で3年ぶり2回目。山中は昨年9月、アンセルモ・モレノ(31=パナマ)に7回TKO勝ちしたV11戦が「年間最高試合」と「KO賞」に選ばれたのと合わせて史上4人目の3冠となった。

「(KO負けのなかった)モレノを倒したことが評価されたと思うし、自分でも価値ある試合だと思う」と話した山中だが「今度は倒し、倒されではなくて圧勝でMVPをもらえるようにしたい」とダウンを喫したことがやや不満そう。

 来月2日にはカルロス・カールソン(26=メキシコ)とのV12戦が控えており「皆さんが喜ぶ試合をしたいですね。(ハラハラ、ドキドキする)2―1の判定とか」と話して爆笑を誘った。

 技能賞は昨年3度の防衛に成功したWBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(23=大橋)。殊勲賞には昨年大みそかのIBF世界Sバンタム級タイトルマッチで、22勝すべてKO勝利を続けたジョナタン・グスマン(27=ドミニカ共和国)に判定勝ちして新王者となった小国以載(28=角海老宝石)が選ばれた。

 また昨年9月にWBC世界Sバンタム級王者となり3階級制覇を達成。12月に王者のまま現役引退した長谷川穂積氏(36)には特別功労賞が贈られた。

 同氏は今年のボクシング界に期待することとして「井上―ロマゴン(ローマン・ゴンサレス)戦。山中の連続防衛記録更新と2階級制覇」と真面目に述べたのに続いて「長谷川穂積、世界戦」とオチをつけ、笑いをとっていた。