WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(23=大橋)が19日、V4戦(30日、東京・有明コロシアム)に向けた公開練習を行った。相手は前WBA同級王者の河野公平(36=ワタナベ)となるが、これまでとはガラリと変わるスパー「半減」の調整法を取り入れた。

 その理由はズバリ、自分を壊さないため、だ。9月のV3戦ではKO防衛を果たしたとはいえ、試合3週間前に腰を、試合中にも拳を痛めて大苦戦した。

 陣営はその原因がオーバーワークにあると判断。スパーリングをこれまでの約半分の60ラウンドに抑えた。

 それでも「前回(V3戦)の公開練習の時と比べると動きが違う」と、納得の表情を見せる。

 2013年8月に当時の日本ライトフライ級王者だった田口良一(現WBA同級王者、30=ワタナベ)に判定勝ちして以来となる日本人対決に向けて「モチベーションも上がるし、すごい楽しみです」と意気込みを語った。

 楽しみ、とは言いながらも「大事なのは距離。相手の持ち味を出させないで、ボクシングを知らない人が見ても“おもしろい”と思ってもらえる試合がしたい」と、「タフボーイ」と呼ばれる河野をリングに沈めて、KO防衛すること以外は頭にない様子だ。