【ボクシング】IBF王座挑戦の小国「世界レベル」を吸収

2016年11月23日 16時30分

小国(左)はサリナスから世界レベルの技術を伝授された

 古都から世界に衝撃を与えられるか。大みそかに島津アリーナ京都でIBF世界スーパーバンタム級王者ジョナタン・グスマン(27=ドミニカ共和国)に、同級5位の小国以載(おぐに・ゆきのり=28、角海老宝石)が挑む。下馬評は劣勢ながら「教え魔」のスパーリングパートナーを相手に、確実に世界へのステップを上がっている。

 

 王者グスマンは7月の王座決定戦で和気慎吾(29=古口)をリングに沈めた、KO率100%の強豪だ。現状では小国の旗色は悪いが、王者対策として陣営はヨアンドリス・サリナス(31=キューバ)を招聘。22日から本格的なスパーリングを開始した。サリナスはアマチュアボクシング王国のキューバでトレーナーライセンスを持つだけに6ラウンドのスパーリング中はもちろんのこと、終了後も約1時間にわたって熱血指導した。

 

 最も重点的に教えたのは「クリンチ中も攻撃の手を休めるな」ということだ。相手に抱きつくクリンチは、一般的に疲れた時に被弾を避けるためにやると見られがち。だが、サリナスは「そこでパンチを出すのを止めるな」としつこく指摘。さらには「自分の脇下に相手の腕をロックして打たせるな」と手取り足取り教える念の入れようだ。

 

「8オンスの(試合用)グローブで打たれ続けるとダメージもたまる。それに、クリンチしても殴られるとなると相手が嫌がって離れてくれるから、と言ってました」(小国)

 

 スパーリング経験のあるサリナスが「ケンカをやらせたらメチャクチャ強い」と評するグスマンは、クリンチで抱きつかれて何もしないでいるとあの手、この手で仕掛けてくるという。

 

「そんなの考えもしなかった。世界って、こんなんなんや~って感じです」と面食らう小国だが「止まって殴り合い、ケンカじゃなくて、動き回って『ボクシング』をすればそれほど強くない」のアドバイスも授かった。試合までの1か月強で対策を完成させることに手応えを感じている。

 

 兵庫・赤穂市の出身だが、2013年に東京の角海老宝石ジムに移籍。「関西で世界戦ができると思わなかった。これって運が向いているってことですよね」と京都で巡ってきたチャンスにやる気満々だ。

 

 年末の世界戦ラッシュの中、22勝すべてKOの強敵グスマンを下せばインパクトは大きい。「千年の都」から世界へ一気に飛び出す。