河野とV4戦の井上尚弥“上から目線”に変身のワケ

2016年11月10日 16時30分

向かい合う井上(左)と河野(右)の間に清水が割って入った

 ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者、井上尚弥(23=大橋)が12月30日に東京・有明コロシアムで、前WBA同級王者の河野公平(35=ワタナベ)とV4戦を行うことが9日、発表された。世界戦では初の日本人対決に向けて井上はまさかの“上から発言”。これまでの好青年イメージを一変させたが、来年に見据える世界的なビッグマッチに向けた布石でもあった。

 

 井上にとって世界戦での日本人対決は初めて。キャリアでも2013年8月、当時の日本ライトフライ級王者・田口良一(29=現WBA同級世界王者、ワタナベ)に挑戦して以来3度目となる。

 

 井上は日本人との対戦について「テレビ的にも(事前の盛り上げなどでは)自分が持ち上げられるだろうから、会場は『相手(河野)頑張れ』というような感じになると思う。過去もそうでしたし」と、外国人ボクサーを相手にしたときの応援一辺倒とは異なる“アウェー”の雰囲気になると予想した。

 

 そうなると、戦いにくくなることは必至とあって、井上は「河野選手はタフだけど圧倒的な試合をして、そうなる前に倒します」とキッパリ言い切った。ひと回り以上も年齢が上の河野に対し完全な「上から目線」。さわやかな好青年イメージとはかけ離れた発言に周囲も驚いていたが、これは将来のビッグマッチを見据えてのものだ。

 

 井上は来年後半にWBC世界スーパーフライ級王者のローマン・ゴンサレス(29=ニカラグア)との統一戦を予定している。多少過激な「リップサービス」で興行を盛り上げることもボクサーに必要不可欠な要素とされており、そこで大先輩への無礼を承知で「速攻KO」を宣言したわけだ。

 

 一方の河野は8月31日のV4戦でルイス・コンセプシオン(31=パナマ)に判定負けし、王座から陥落して以来の再起戦。同戦後は「ボクシングは終わりかな、と思って1か月ぐらいは何もする気が起きなかった」という状態で過ごしていたところに井上戦が舞い込んだ。「休んでいたのがかえって良かった。挑戦者だから、ガンガンいきたい」と力を込めた。

 

 河野は昨年10月の亀田興毅戦では、比較にならないほどの罵詈雑言を浴びせられた経験があるだけに、この日の井上発言も冷静に受け流していたが、年末決戦に向けリング内外でのバトルも注目されそうだ。