前WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志(36=ワタナベ)の大みそか再起戦(東京・大田区総合体育館)がメーンイベントで行われることが24日、わかった。

 4月のV12戦で2回KO負けを喫したジェスレル・コラレス(25=パナマ)とのリターンマッチでは2010年1月以来、約7年ぶりに「挑戦者」としてリングに上がる。今年の大みそか決戦は、ジムの後輩でWBA世界ライトフライ級王者・田口良一(29)のV5戦とのダブルタイトルマッチ。複数の世界戦が行われる場合、通常は防衛戦の方が「格上」扱いされ、興行の後半に組み込まれる。今回は挑戦者とはいえ王座を11度防衛した内山と、5度目の防衛戦の田口のどちらがメーンになるのか。21日の試合発表時には明かされなかったが、渡辺均会長(66)は「メーンは内山です」と本紙に明言した。

 理由については「格が違う」。過去4回の防衛戦で3度TKO勝ちしている田口が気の毒にも聞こえる言い方だが「田口もメーンは嫌がっているので」(渡辺会長)。リングを下りるとボクサーとは思えないぐらい、控えめでおとなしい性格の田口は、8月の河野公平(35=ワタナベ)とのダブル世界戦でもメーン抜てきを嫌がっていたほど。それだけに、今回は“納得”のセミファイナル降格だといえる。

 世界王者の防衛戦がセミで、挑戦者がメーンになったのは、最近では昨年4月に井岡一翔(27=井岡)が3階級制覇を達成した際の興行がある(セミは高山勝成の防衛戦)。内山のKO負けは日本中の格闘ファンに大きな衝撃をもたらしたが、“今年を締めくくる興行”のメーンでは、歓喜の衝撃を与えたいところだ。