WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ(4日、神奈川・スカイアリーナ座間)で3度目の防衛に成功した王者・井上尚弥(23)と、弟で前東洋太平洋スーパーフライ級王者の拓真(20=ともに大橋)が5日、都内で一夜明け会見を行い、拓真が年末に世界初挑戦することが発表された。

 大橋ジムの大橋秀行会長(51)は「拓真の次戦は、年末にWBOバンタム級王者のマーロン・タパレスに挑戦します」と明言。V4戦でWBAスーパーフライ級王者ルイス・コンセプシオン(30=パナマ)との統一戦を目指す兄・尚弥、さらにはIBF世界ライトフライ級王者・八重樫東(33=大橋)と合わせたトリプル世界戦になる見込みだ。

 念願の世界初挑戦が決まった拓真は「本当に楽しみ。場数も踏んで、一番いいタイミングだと思う」と話した上で、初体験となるバンタム級についても「(53キロ契約だった)昨日もこれまでで一番動けたし、最後までいい練習ができると思う」と心配はない様子だ。

 一方の尚弥は「(腰痛を抱えて)万全のコンディションでリングに上がれなかったのは自分が悪い。まずは年末の試合に向けてモチベーションを上げて、そこで統一戦ができれば」とV3戦を振り返ると、弟の世界戦決定には「うれしい半面、不安な気持ちもある」と打ち明けた。

 それでも「昨日は(初回の)ダウンから立ち直ったのを見られたのはよかった。気持ちは強いから、そこは心配していない」と期待を込めた。