IBF世界スーパーバンタム級王座決定戦(7月20日、エディオンアリーナ大阪)で世界初挑戦する同級1位の和気慎吾(28=古口)の試合を中継するTBS系が“大勝負”に出る。

 28日、報道陣に練習を公開した和気は過去21戦すべてがKO勝利という同級2位ジョナタン・グスマン(26=ドミニカ共和国)との戦いに向け「だいぶ(グスマン対策の)動きがつかめてきた」と大粒の汗をかきながら話した。そんな強豪を相手に勝てば快挙となる。中継局も異例の生放送に踏み切った。

 当日のメーンはWBAフライ級王者、井岡一翔(27=井岡)のV3戦で和気の試合はセミ。午後8時からの2時間枠で中継する。通常、ダブル世界戦の場合、生でオンエアするのはメーンだけで、セミは実際の放送時間より30分~1時間ほど前にゴングとなる。これは、1ラウンドで試合が終わってしまうケースなどのリスク回避のため。内容と結果に応じて編集し、メーンの開始に合わせて放送している。

 そのリスクを負ってまで生放送するのは、TBS側が和気を大々的に売り出したいからだ。「僕は(王座獲得よりも)その先を見ています」と話しているように、王者になれば5階級制覇で現WBOスーパーバンタム級王者のノニト・ドネア(33=フィリピン)との統一戦プランもある。

 さらに「どんな結果でも録画よりナマの方が視聴率はいい」(TBS関係者)との傾向もあって戴冠の快挙をリアルタイムで伝えるという。早期KO負けの場合は一翔の過去の名場面シーンでつなぐ予定だが、その準備が無駄になるような男気の勝利を見せたいところだ。