ボクシングのノンタイトル10回戦(14日、香港)で4回TKO勝ちしたWBC世界ミドル級6位の村田諒太(30=帝拳)が15日、羽田空港に帰国した。過去KO負けのないフェリペ・サントス・ペドロソ(28=ブラジル)相手に最後はレフェリーストップになるまでメッタ打ちにした。

 これでプロ10戦全勝としたロンドン五輪金メダリストの次戦は、7月23日に米国ラスベガス(MGMグランド)で行われる。この大会では、メーンがWBO世界スーパーライト級王者テレンス・クロフォード(28=米国)とWBC同級王者ビクトル・ポストル(32=ウクライナ)の王座統一戦、さらにWBOスーパーミドル級王者ヒルベルト・ラミレス(24=メキシコ)の初防衛戦を予定。村田の試合はダブル世界戦のアンダーカードになる。

 村田はラスベガスでの試合後、早ければ年内にも世界王座に挑戦する方針だ。ターゲットはWBOミドル級王者のビリー・ジョー・サンダース(26=英国)だが、ミドル級は大激戦区とあってマッチメークがまとまる保証はない。年内挑戦を実現させるためには、7月のラスベガス決戦でWBO関係者をうならせるような戦いが必要となる。

 昨年11月に初の米国進出となったラスベガスでの試合は、不完全燃焼の判定勝利。村田も「アピール不足だった。今度は米国のファンの心もつかむような試合がしたい」と話し、“背水の陣”で臨む覚悟だ。

 すでに対策にも乗り出している。直近2試合は得意の右で仕留めたが「右は相当研究されていると思うので、左のバリエーションを増やして、相手がやりようのないぐらいにしたい」。“左を制する者は世界を制す”の格言にふさわしい戦いぶりで世界へ王手をかけたいところだ。