ボクシングのWBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ(27日)で12度目の防衛に失敗した前スーパー王者の内山高志(36=ワタナベ)は28日、報道陣の前に姿を見せなかった。

 コメントを発表したものの「(進退を)どうするかは後日改めて発表します。敗戦から一夜明けて、より悔しさがこみ上げてきました」と、去就問題には言及しなかった。

 ワタナベジムの渡辺均会長(66)は、内山の今後について「まずは1年ぐらいは休ませるつもり。現役続行か引退かは本人の意思に任せる」と前夜と同じ言葉を繰り返した。

 そこで気になるのは、2011年から5年連続で開催され、同ジムの恒例行事となっている「大みそか興行」だ。

 同門のWBAスーパーフライ級王者、河野公平(35)と同ライトフライ級王者の田口良一(29)は27日に揃ってV3に成功。

 河野の次戦はマカオか香港でレックス・ツォー(28=中国)戦が浮上しており、田口も前WBO世界ミニマム級王者の田中恒成(20=畑中)や、日本ライトフライ級王者の拳四朗(24=BMB)からオファーを受けている。

 ジム側は、2人が4度目の防衛に成功し「大みそかに指名試合ができれば」との青写真を描いている。だが、仮に2人が敗れるようなことがあれば、世界王者は不在。

 しかも「内山がいて(こそ)河野と田口がいる」(同会長)とまで説明するように、絶大な人気を誇るメーンイベンターがいない興行が成り立つのかという問題も出てくるわけだ。

 内山本人の意向にもよるが、渡辺会長の考え通りに「1年の休養」となれば「暮れの風物詩」として定着したビッグイベントの行方も注目となってきそうだ。