【WBC世界バンタム級V10戦】山中がスピードKO狙う3つの理由

2016年02月26日 10時00分

早期KO決着に向けて山中(右)は気合満点

 WBC世界バンタム級王者の山中慎介(33=帝拳)がV10戦(3月4日、島津アリーナ京都)での早期KOを誓った。同級3位で前WBAスーパーフライ級王者、日本での戦績が2戦2勝のリボリオ・ソリス(33=ベネズエラ)という難敵が相手だが「神の左」はいつも以上に気合が入っている。王者として自らの強さを再び誇示するためだというが、理由はそれだけではないようで…。

 

 節目のV10戦を9日後に控えた24日、山中は都内で公開練習を行い、鋭い動きを見せて好仕上がりをアピール。「いつになく順調です」と笑顔で話した。

 

 ソリス戦当日は沙也乃夫人の誕生日。最近は4年連続で4月に試合があったため「減量があるから、お祝いとかできるタイミングじゃなかったんです」と話す山中にとって、2012年の結婚以来、初めてゆっくりお祝いができるチャンスがめぐってきた。

 

 とはいえ、試合終了までは浮かれることなく戦闘モードをキープしなければならない。それだけに「9時に終われば、3月4日はまだ3時間とかありますから。そこで何かお祝いができれば」と早期KOを狙う考えだ。

 

 ゴングは午後8時ごろの予定なので「9時」というのは12回フルに戦った場合の終了見込み時刻。だが、ここから記者会見などをこなして宿舎に戻ると、日付が変わってしまいかねない。フルラウンドを戦えば、それなりのダメージを受けてお祝いどころではなくなる可能性もある。だからこそ、早いラウンドでの決着が必要なわけだ。

 

 もちろん、自身の強さを誇示することが最大の目的。昨年9月のV9戦ではアンセルモ・モレノ(30=パナマ)に薄氷の判定勝ち。「自分の力のなさに悔しかった」と振り返る。その雪辱の意味でもKO勝利にこだわるのは当然。「自分の左は強いと思わせる試合をしたい」と、代名詞の「神の左」で仕留めることに意欲を見せる。

 

 さらに“時短”は後輩のためでもある。当日はセミでWBC世界ライトフライ級王者となった木村悠(32=帝拳)の初防衛戦が行われる。これが1時間枠の地上波でオンエアされるかどうかは、山中がどれだけ早く終わるか次第。KO勝利の余韻が残る中で初防衛の雄姿をお茶の間に届けられれば、木村の知名度アップにもつながる。

 

 プロでは初となる京都のリング。南京都高出身の山中は「ボクシングを始めたばかりでワクワクしていた自分を思い出します」と笑顔を見せる。これまでは、あまりに早いKOはテレビ(視聴率)泣かせになると言われてきたが、今回はそんな外野の声に耳を貸すつもりはない。