WBO世界スーパーフライ級王者の井上尚弥(22=大橋)が22日、練習を本格的に再開させた。右手を手術した影響で昨年12月29日のV1戦は約1年ぶりの試合だったが、試合3日後の元日には早くもロードワークを開始。井上は「ロードワークは、もう結構追い込んでやってますよ」とサラリと言ってのけた。

 もっとも、元日始動は井上家恒例の年始行事だ。「尚弥と(弟の)拓真がボクシングを始めた、小学生のころから毎年やっていることです」(父の真吾トレーナー)。スタートは午前10時。自宅周辺を3キロほど、この時ばかりは真吾さんのペースでゆっくり走り、新しい年の幕開けを家族で実感するのだという。

 こうして明けた2016年の抱負について井上は「他団体との統一戦をやってみたい」。次戦の見込みについて大橋秀行会長(50)は「4月か5月に、国内で」。WBOからはランク2位のダビド・カルモナ(24=メキシコ)との対戦指令が出ており、まずはこれをこなすことになりそう。その後は「海外からも、実際に見てみたいとの声が多く届いている。尚弥が進んでいくのはそっちだと思う」と、いよいよ“世界”へ本格進出となりそうだ。