IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ(29日、有明コロシアム)、同級8位の八重樫東(32=大橋)が王者ハビエル・メンドサ(24=メキシコ)に3—0の判定勝利を収め、3階級制覇を達成した。

 昨年12月30日のWBC同級王座決定戦に敗れた八重樫にとって1年ぶりの偉業再挑戦。2Rに右のショートで王者をグラつかせ、序盤からペースを握る。

 その後もトリッキーなスタイルでメンドサのプレッシャーをかわし続けた八重樫は、終盤11Rから一気にペースアップ。最終12Rには右フックのクリーンヒットを合図に猛ラッシュを浴びせていく。ダウンこそ奪えなかったものの、相手をKO寸前まで追い込んで試合終了のゴング。文句なしの判定勝利で栄冠をつかみ取った。

 試合後のリング上で八重樫は「去年の年末にボクシングを辞めようと思ったんですど、家族の賛成の声と、皆さんの声援のおかげで、また世界のリングに戻ってくることができました」と感無量の表情を浮かべた。

 亀田興毅(29)、井岡一翔(26=井岡)に続く日本人史上3人目の3階級制覇にも「3階級はおまけ。強いボクサーと戦うことが仕事であり喜び」と謙虚な姿勢を見せた。

 将来的にはWBC王者・木村悠(32=帝拳)、WBA王者・田口良一(29=ワタナベ)ら同級日本人世界王者との統一戦や、スーパーフライ級へ2階級上げての4階級制覇など夢も膨らむ。記憶に残る数々の激闘や敗北を乗り越え、ついに偉業を達成した八重樫の今後から目が離せない。