元世界2階級王者、長谷川穂積(34=真正)が11日、57・6キロ契約ノンタイトル10回戦(神戸市立中央体育館)でWBOスーパーフェザー級5位のカルロス・ルイス(22=メキシコ)に3―0で判定勝ちした。だが、2度もダウンを奪われる低調な内容で、世界再挑戦に向け“追試”が確実になった。

 試合後、顔面が腫れ上がった長谷川は「ダウンした2つのラウンド(3、5回)以外は全部(ポイントを)取っている」と話したが、観戦した泰子夫人が「もうダメかなと思った」と振り返ったように、2度目のダウン時にはセコンドがタオルを投入する準備をしていたほどだった。

 陣営は今回の試合に完勝すれば次戦の世界挑戦を示唆。海外に出て行くことも辞さない方針だった。WBOフェザー級王者で北京&ロンドン五輪金メダルのワシル・ロマチェンコ(27=ウクライナ)が「対戦相手探しに苦労している」(関係者)との情報があり、ラスベガスでのビッグマッチに動きだす可能性もあったが、次戦の「世界」は見送られる方向だ。

 一方、自身の進退については「負けてないんで(進退を)どうこう言うレベルじゃない」と現役に意欲。また階級に関しては「もうSフェザー級はいいです。Sバンタム級は減量がしんどい。やるならフェザー級」と明言した。同級での自信度を聞くと「うーん、どうでしょう。一戦一戦やっていくだけです」。すでに王座を失ってから約5年。次戦はフェザー級選手を相手にKOか完勝が世界再挑戦への条件となるが、果たして――。