元WBCバンタム&フェザー級の2階級王者、長谷川穂積(34=真正)の再起2戦目となった57・6キロ契約ノンタイトル10回戦(11日、神戸市立中央体育館)はWBOスーパーフェザー級5位のカルロス・ルイス(22=メキシコ)に3―0の判定勝ちをした。

 最終回、ルイスが逃げの姿勢を見せると長谷川は猛然と前に出た。その姿、その目は全盛期を思わせるどう猛な獣のものだった。仕留めることはできなかったが、1階級上のルイスに判定勝ち。プロ通算40戦目を勝利で飾った。

 序盤は長谷川が左のボディーやオーバーハンドのストレートを的確にヒットさせて確実にポイントを奪った。だが、3回にはルイスの右ストレートを顔面に被弾して尻もちをつくダウン。ここは立ち上がり、次の回が始まる際、観客席の家族に向かっておどけた表情を見せる余裕もあった。

 しかし5回には、またも右ストレートで長谷川が2度目のダウン。明らかに最初よりもダメージは大きく、セコンドも次の“万が一”に備えてタオルを投入する準備をしたほどだった。

 昨年4月にIBFスーパーバンタム級王者のキコ・マルチネス(29=スペイン)に7回TKO負けで3階級制覇に失敗。約1年1か月で今年5月に対戦したWBCスーパーバンタム級9位(当時)のオラシオ・ガルシア(24=メキシコ)戦は「絶対不利」の予想を覆して、3―0で勝利した。

 それから7か月を経ての試合に穂積は「もっと圧倒的に勝つつもりだったんだけど…」と控えめに振り返った。また、陣営はこの試合に勝てば、海外進出を含めた次戦での世界挑戦も視野に入れていたが「まずはゆっくり休んで試合を振り返りたい」と淡々と話した。