WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチが28日、宮城・ゼビオアリーナ仙台で行われ、同級2位の挑戦者・江藤光喜(27=白井具志堅)は王者カルロス・クアドラス(27=メキシコ)に0―3の判定で敗れ、タイトル奪取はならなかった。クアドラスは5度目の防衛に成功。
 
 身長では10センチも劣るものの、クアドラスのパンチの威力はすさまじい。ガードの上から当てても江藤を後ずさりさせ、2Rにはコーナーに追い詰めてメッタ打ちにした。
 
 江藤は突破口を見いだせず、4R終了時の公開採点は3人のジャッジ全員が「36―40」のフルマークという劣勢に立たされた。
 
 5Rからはやや手数を増やすものの、8Rまでの公開採点でも4点差が1人、6点差が2人の王者支持は変わらない。
 
 9R、もう後がない江藤は猛然と前に出る。だがクアドラスはボディーで動きを止めると、連打でメッタ打ちにするうまさを見せる。
 
 10Rも江藤のいいボディーが入ったかと思うと、終了間際には王者もボディーを打ち返す。
 
 最終回、江藤は場内を沸かせるパンチを出しはしたものの、あと一歩ダメージを与えるまでには至らない。
 
 クアドラスは残り10秒を告げる拍子木が鳴らされると、両手を上げてバンザイしながらパンチをよける余裕を見せる。
 
 最後まで主導権を握り続けた王者の完勝だった。