27日にV2に成功したIBF世界ミニマム級王者の高山勝成(32=仲里)が、思わぬ苦境に陥った。前夜の試合後のリング上でWBO同級王者の田中恒成(20=畑中)と大みそかに統一戦を行うことで“合意”。両陣営も実現へ向け動きだすことで一致している。だが、高山がV2戦でカットした左まぶたは14針も縫う大ケガだった。大みそかまでは3か月。回復に与えられた時間は多くなく、出血しやすい状態で試合に臨むことになる。

 一方、田中サイドはすでに大みそかの会場(愛知県体育館)を確保しており、高山戦見送りなら他の相手を探す必要があるため、あまり決断を先送りできない。さらに高山はIBFから指名試合を行うよう指令を受けており「田中戦を優先させるなら、IBFタイトル返上もあるかも」(中出博啓トレーナー)。

 統一戦実現なら「インパクトを与える戦いになりそう」(高山)なことは確かだが、その前に高い壁が立ちはだかった。