IBF世界ミニマム級タイトルマッチ(27日、エディオンアリーナ大阪)は、王者の高山勝成(32=仲里)が原隆二(25=大橋)を8回1分20秒、TKOで下しV2を果たした。

 高山は2、3回と続けて原の猛攻を受け防戦一方となり、ヒヤリとさせられた。3回の中盤には偶然のバッティングで左目をカット。ペースを完全に握られたように見えたが、初の世界王座となるWBCミニマム級タイトル獲得から10年のキャリアはさすがだった。

 4回からすぐに主導権を奪い返すと、あとは一方的な展開。5回には早くもコーナーに追い詰め、その後もメッタ打ち。8回にレフェリーが試合をストップさせた際は、原はロープに寄りかかったまま崩れ落ちそうになるほど疲弊していた。

 王者は「原選手は最後まで向かってきたので、いいものを学ばせてもらいました」と余裕のコメント。今後のことを聞かれると、リング上から「田中君。どこにいますか?」と観戦していたWBO同級王者の田中恒成(20=畑中)を呼び寄せた。「いつかリングで戦えたら」と呼びかければ、田中も「次の試合は大みそかに愛知県体育館でやるので、そこで高山さんとできれば」と年末決戦を熱望。名古屋での統一戦がにわかに現実味を帯びてきた。

 5月に国内最速の5戦目で世界王者となった田中には初防衛戦がいきなりビッグマッチとなりそうだが「勝てる自信があるからやりたい、とかじゃなく強い相手とやりたい。いかに高山さんのペースにならないようにするか」との早くも“戦略”を披露した。中京大2年の田中と愛知・菊華高2年の高山という異色対決?の意味でも注目の試合となりそうだ。