WBC世界バンタム級タイトルマッチ(22日、東京・大田区総合体育館)でV9に成功した山中慎介(32=帝拳)が23日、今後も「神の左」を貫き通すことを宣言した。

 前夜(22日)は同級2位で前WBA同級スーパー王者のアンセルモ・モレノ(30=パナマ)を相手に大接戦を展開。8回終了後の公開採点では同点が2人、残る1人は2点差でモレノ優勢だった。だが「そこから前に出て、ポイントが取れたのは大きい。自分の強さを見せられた試合ではなかったかもしれないけど、いい経験になった」(山中)。苦しい試合を判定2―1で際どく競り勝ったことを自画自賛した。

 その一方で「もっとアッパーやフックを使えばいい、という意見もあるようだけど、打てばいいというものじゃない。9回にはフック打ったところでカウンターをもらったし」と話したうえで「自分のスタイルはストレート主体」ときっぱり。代名詞でもある「神の左」にさらに磨きをかける決意だ。

 今後の防衛ロードには、昨年9月にモレノを破った現WBA同級スーパー王者ファンカルロス・パヤノ(31=ドミニカ共和国)との統一戦プランも浮上している。さらに苦戦も予想されるが、山中はあくまで左で真の世界の頂点への道を切り開く。