亀田三兄弟、崖っ縁。本紙昨報通り、WBA世界バンタム級タイトルマッチ(6日=日本時間7日、米国・テキサス州コーパスクリスティ)で、挑戦者の亀田和毅(24)は王者のジェイミー・マクドネル(29=英国)に0―3で判定負け。5月の挑戦に続く連敗を喫した。

 序盤こそ和毅のペースだったものの、中盤以降はマクドネルがリーチ差を生かして主導権を握った。最終12回の和毅のダウンはスリップ気味。仮にこれがダウンではなく、和毅がこの回のポイントを取ったとしても、2人のジャッジがつけた7点差と5点差が覆るまでには至らず、勝敗は変わらない。それもあってか和毅からは「言うても、しゃあない」との言葉しか出なかった。

 マクドネルは今回の試合前から「勝ったら(スコット)クイッグ(WBAスーパーバンタム級王者=26、英国)とやりたい」と話していた。英国人の王者同士の試合は時にファイトマネーが億単位になる。王者にしてみれば和毅戦は“踏み台”で「全部がプラン通り。前回の試合より、やさしかった」と、快勝も当然といった感じだ。

 さらに、この日は前座で約1年9か月ぶりの再起戦を行った次男の大毅(26)も判定負け。ブランクがあるとはいえ「デビュー戦の時より弱くなってると、戦いながら思った」(大毅)ようでは、劣化は深刻だ。

 兄弟が同じ日に連敗するのも過去にはなかったこと。来月16日には長男・興毅(28)が米国・シカゴでWBAスーパーフライ級王者の河野公平(34=ワタナベ)に挑むが、これに敗れると、いよいよ時代は終焉を迎えかねない。