世界への課題は――。元Kー1スーパーバンタム級王者の武居由樹(26=大橋)が26日、東京・後楽園ホールで行われた東洋太平洋スーパーバンタム級王座戦でペテ・アポリナル(フィリピン)を破りプロボクシングデビュー5戦目で王座奪取に成功した。

 挑戦者の武居が〝貫禄勝ち〟だ。1ラウンド(R)から、強烈な右ボディーと右フックでダメージを与え追い込む。王者相手に2Rに2回、4Rに1回ダウンを奪って圧倒的に支配した。さらに5Rは攻勢に出てコーナーに追い込みラッシュ。アポリナルが反撃もせずふらつき、レフェリーが試合を止め、武居の勝利が告げられた。

 5R2分7秒でTKОの圧勝に武居は「みんなが背中を押してくれて取れたベルトだと思います」と笑顔を見せた。5戦5勝5KOと文句なしの戦績で東洋太平洋を手にして、次に狙うのは世界のベルトになる。

 期待は高まる一方だが、指導する元世界3階級制覇王者の八重樫東トレーナーは「今日は打ち合いがあったが、そこでの緻密さだったり。相手をどう崩すかであったり」とあえて課題を挙げた。そして「少しずつボクシングらしくなっている。一発の魅力はあるが、そこからコンビネーションや連打で倒せるようにもなれば、さらにトップに近づくと思います」と武居を頼もしげに眺めた。

 世界を見据える師弟コンビはこのまま無敗で突っ走るためにも、さらなる進化を目指す。