再び4階級制覇へ突き進む。WBOアジア・パシフィック・スーパーフライ級タイトルマッチ(29日、東京・後楽園ホール)で、元世界3階級制覇王者の田中恒成(27=畑中)が王者の橋詰将義(角海老宝石)にパンチの嵐を浴びせて5ラウンド(R)2分52秒TKOで圧勝。リング上で「世界チャンピオンに今、ホントになりたい。攻めて攻めて攻めまくります」と復権へ意気込んだ。

 2020年大みそかにWBO世界同級王者の井岡一翔(志成)に8回TKO負け。プロ初の敗戦を喫して4階級制覇に失敗すると、世界戦から遠ざかった。転機が訪れたのは昨年11月。今をときめく世界バンタム級3団体統一王者の井上尚弥(大橋)と初めてスパーリングで拳を交えた。この日の試合後、田中は取材に「やっぱり、あれは刺激を受けましたね。ああ、レベルが高いなって」と改めて当時を振り返った。

 そのスパーリングから1か月後の復帰戦で石田匠(井岡)に判定勝ちしたものの、ディフェンス重視の試合内容に「つまらなかった」と猛省。この日の田中は超攻撃的スタイルに立ち返ってKO勝ちにつなげた。井上は米リング誌のパウンド・フォー・パウンド(階級を超えた最強ランキング)で日本人初の1位に君臨。田中も相手を圧倒するボクシングで世界の表舞台に戻るつもりだ。