試合前日から舌戦だ。WBOアジア・パシフィック・スーパーフライ級タイトルマッチ(29日、東京・後楽園ホール)で拳を交える王者・橋詰将義(28=角海老宝石)と挑戦者で元世界3階級制覇王者の田中恒成(27=畑中)が28日、日本ボクシングコミッション(JBC)で前日計量を行った。

 両者とも計量をクリアし、先に取材に応じた田中は「世界チャンピオンになりたい人間と、必ずなるオレのような選手は絶対に違う。実力も気持ちも、差を明らかに見せつけようと思います」と先制パンチを見舞った。

 その後に取材対応した橋詰は「チャンスだと思います。世界ランキングも1ケタ、3階級制覇のすごい実力の選手なので、初防衛して僕自身の評価が上がる試合だと思いますね」と敬意を評しつつも徐々にヒートアップ。くだんの田中の発言を聞かされると「まあ試合前はナンボでも言えるんでね。リングの上で分からせるだけです」とキッパリ言い切った。

 ネームバリューある田中との対戦を打診された際は二つ返事でOK。だが、世界戦ではないことに「まあベルトがないので。相手が世界チャンピオンで僕が挑戦する位置づけの試合ならアレですけど、僕が持っているベルトに向こうが挑んでくるだけなので」と煮え切らない様子。さらに橋詰は「ランク的に言ったら(田中が)1つ下げてきている。ナメんなよって感じです。世界の壁にぶち当たったからアジア・パシフィックに挑戦しようみたいな感じでしょ」と吐き捨てた。

 王者とは「防衛してナンボ」というポリシーを持つ橋詰。最後は「しっかり防衛して真のチャンピオンに認められたらいいと思っていますね」と翌日へ闘志を燃やした。