世界バンタム級3団体統一王者の井上尚弥(29=大橋)が27日、東京・千代田区の日本外国特派員協会で記者会見を開き、ボクサーとしての信念や今後のキャリアなどを口にした。

 この日の会見は海外メディアからの強い要望によって開催。スーツ姿で会見場に現れたモンスターは国内外の記者から多種多様な質問を受けた。7日にノニト・ドネア(フィリピン)を破って日本人初の3団体統一を果たし、最も権威ある米専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超えた最強ランキング)で1位を達成した思いを問われると「この先はPFP1位にふさわしい試合をこなしていきたい。そのためにも4団体統一をしたうえで、スーパーバンタム級に上げてまた新たなステージで挑戦していきたいと思っています」と話した。

 現在、スーパーバンタム級はWBA&IBF王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)、WBC&WBO王者スティーブ・フルトン(米国)がベルトを持つ。井上は「両選手がこの先に統一戦をする流れになるのであれば、自分が4団体をバンタム級で取り、その両者が4団体王者になり、4団体王者同士が戦うのが自分の中ではすごく理想なのかなと思います」と夢を思い描いた。


 また、世界中のファンを魅了する自身のボクシングスタイルにも質問が飛んだ。井上は「自分のボクシングの何が喜ばれるかはまだ分かりませんけど」と言いつつも、揺るがぬポリシーを次のように口にした。

「プロボクサーとして、高いチケットを買って来てくれるお客さんに対して満足させたい気持ちがあります。プロとしてしっかり(試合の中で)山場をつくり、倒すこと、しっかり結果を出すことはすごく意識しながら戦っている。ただ勝てばいいという考えではなく、まずは試合を見に来てくださるファンに素晴らしい試合を見せたいなという思いがあり、その結果が23戦20KOという結果につながっていて、倒すボクシングが評価されている」

 魅せて勝つ――。その信念を抱きつつ、改めて「プロボクサーとしての到着地点、最終地点は35歳。無敗でゴールすることが理想」と明言した。