嫌がらせから完全ガードだ。WBO世界バンタム級王座決定戦(8月7日、タイ・バンコク)に臨む同級1位の赤穂亮(29=横浜光)が現地に「前線基地」を確保した。

 日本人が一度も勝ったことのないタイでの世界戦。同級2位プンルアン・ソーシンユー(27=タイ)戦に向け、赤穂と横浜光ジムの石井一太郎会長(33)は7月初旬に現地の下見を敢行したが、この際に重要な“任務”を遂行した。それは本番の際の宿舎の確保だ。

 主催者からホテルを提供されるものの、完全アウェーではどんな“ハプニング”が起きるか予想できない。真夜中にドアをノックされたり、イタズラ電話をされたり、はたまた呼んでもいない「女性」に訪問されたり…。そんな事態に対応したり、警戒して身構えているだけでもストレスになる。そこでマイナス要素を回避するべく「知り合いのツテで、マンションを確保しました」(石井会長)。

 バンコク市内にある高級物件は24時間体制でガードマンが警備しており、石井会長は「嫌がらせをしに来ても、部外者が建物内に入るのは無理でしょうね。そこまでするとは思いませんけど」。

 館内にはサウナやプール、ジムもあり、減量の最後はサウナを利用する赤穂にとっては最適な環境だ。さらに近くの日本食レストランの協力も、とりつけた。もちろんマンションの部屋にはキッチンがあるので「僕も料理は作りますよ」(同)と心強い。

 準備を整えた陣営のためにも、赤穂は勝ってベルトを日本に持ち帰るしかない。