WBAスーパー&IBF&WBC世界バンタム級統一王者の井上尚弥(29=大橋)が「4団体統一」へ早くもフルスロットルだ。7日の同級3団体統一戦(さいたまスーパーアリーナ)で前WBC同級王者ノニト・ドネア(フィリピン)を2回TKOで圧倒。日本人初の3団体統一を果たし、直後に「練習がしたい」と発言して周囲を驚かせた。

 そんなモンスターは14日に更新した自身のツイッターに「4団体統一は年内、本当に実現するかもしれない。ワクワクスルゼ」とつづり、バキバキの背筋の写真も投稿するなどテンションが上がっている。〝ラストピース〟となる「WBO」のベルトを持つ同級王者ポール・バトラー(英国)に対しても「バトラーいいね」とツイート。大偉業へ向けて、はやる気持ちを抑えられない様子だ。

 一方、最も権威ある米専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超えた最強ランキング)では日本人初の1位。海外でも連日のように偉業が伝えられ、多くの専門家はモンスターの「ボクシングIQ」の高さを指摘している。その秘訣として有力なのは物心ついたころからの〝原風景〟だろう。井上は「もともと父がすごく好きだったので、ご飯時のテレビは必ずボクシングがついていた」と明かす。幼稚園の時に聞いた解説者の声はいまだに脳裏に焼き付いているという。

 ボクシングエリートをつくり上げる土台となった幼少期の体験が起因してか、試合中は「4秒先」が分かると言われるほど。自信あふれるツイッター投稿の数々を踏まえると、すでに4本のベルトを手にした自身の姿が見えているのかもしれない。