WBAスーパー&IBF&WBC世界バンタム級統一王者の井上尚弥(29=大橋)が年内の大偉業へ腕をぶしている。

 7日の同級3団体統一戦(さいたまスーパーアリーナ)で前WBC同級王者のノニト・ドネア(39=フィリピン)を2ラウンド(R)TKOで圧倒。最も権威ある米専門誌「ザ・リング」によるパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超えた最強ランキング)で1位に輝き、今後はラストピースとなる「WBO」のベルトに照準を合わせて4団体統一を狙っている。

 同級のWBOを巡っては、かねて〝問題児〟ジョンリール・カシメロ(フィリピン)が対戦相手に浮上していた。しかし、4月に減量目的で禁止されているサウナを使用して王座剥奪。さかのぼれば昨年8月にドネアとの試合前にドーピング検査を拒否、同12月には現王座のポール・バトラー(英国)との対戦直前に胃腸炎で緊急入院して試合は消滅。度重なるトラブルによってモンスターは完全にサジを投げてしまった。

 井上は14日にツイッターを更新。「バトラーいいね笑」とつぶやきつつ「もうカシメロには用はない」とバッサリ。今年1月のイベントでは「カシメロをボコボコにしているところを見たいっていうファンもいるので。しっかりと交渉がまとまってスムーズに戦えるのであれば」と口にしていたが、数々の愚行を重ねて王座陥落した男にもはや用ナシのようだ。

 井上は「4団体統一は年内本当に実現するのかもしれない。ワクワクスルゼ」ともツイート。自身の野望を邪魔する問題児がいなくなり、ようやく夢に向かって視界が晴れたようだ。