ボクシングの志成ジムは2日、都内で会見を開き、日本人初の4階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(33=志成)が元4階級制覇王者で同級1位のドニー・ニエテス(40=フィリピン)と7月13日に東京・大田区総合体育館で5度目の防衛戦を行うと発表した。

 ニエテスとの対戦は2018年12月の大みそか以来2度目。前回は3階級制覇王者同士の対決として注目を集めたが、判定で敗れてプロ2敗目を喫した。リベンジへ向けて「マカオで負けた日があるから今がある。過去の自分を超えるためにも、あそこから始まったストーリーにしっかり終止符を打ちたい」と闘志を燃やす。ニエテス戦を「これから先に進むためにも負けられない」と位置づけるように、井岡には「統一戦」という野望もある。

 昨年末、一度は決定したIBF同級王者ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)との統一戦は新型コロナウイルス禍で消滅。互いに1試合をはさんで仕切り直す予定だったが、アンカハスは2月に王座陥落してしまった。井岡は「アンカハス選手が勝ってくれたら(統一戦の)試合は6、7月に実現すると思っていました。それが、まさかの負けてしまって…。びっくりしましたけど、なかなか思うようにはいかないんだなって、統一戦の難しさをさらに痛感しました」と心境を吐露した。

 井岡は「彼ももう1回同じ相手と再戦するらしいので、その結果次第では(今年の)大みそかに統一戦したい」とアンカハス戦への思いをはせつつ「統一戦をする上で、僕は(相手は)誰でもいい」とキッパリ。そして、一時浮上したWBC同級王者ローマン・ゴンサレス(帝拳)にも言及した。

「僕はIBFにこだわりはないので、できたらローマン・ゴンサレス選手のほうが世界に名も(知れていて)、誰もが知っている選手ですし評価も高いので、僕はローマン・ゴンサレス選手でもやりたいです」

 日本人で初めて4階級制覇を果たした井岡。次なる「ベルト統一」へ向けて、まずは目の前のリベンジ戦をクリアする。