WBOのフランシスコ・バルカルセル会長(67)が8日、都内で報道陣の取材に応じ、WBO世界スーパーフライ級王者、井上尚弥(22=大橋)の次期防衛戦の対戦相手の選定を“丸投げ”したことを明かした。

 同王座は井上の右拳の負傷に伴い、4日にメキシコで同級1位のワーリト・パレナス(31=フィリピン)と同2位のダビ・カルモナ(24=メキシコ)が暫定王座決定戦で激突。この試合の勝者が井上への指名挑戦者として次戦で戦うはずだったが、結果は引き分けに終わり、井上の相手は決まらなかった。

 それを受けてバルカルセル会長は「暫定王座決定戦を行った2人のどちらか好きなほうを選んでいい」とし、井上陣営に通達。大橋ジムの大橋秀行会長(50)は「今日言われたばかりなので、どちらとやる、とは言えないけど、熟慮して強い方を選びたいと思う」と話した。

 またバルカルセル会長は井上について「(前王者のオマール)ナルバエスに、あのような勝ち方をするとは思わなかった」と、昨年12月の試合で11連続防衛中だった王者から4度のダウンを奪って2回KO勝ちした内容を高く評価。ナルバエス戦の鮮烈Vによって、2階級王者となった井上には米テレビ局のHBOも興味を示しているという。年内に見込まれるV1戦をクリアすれば、来年にも米国進出があるかもしれない。