WBAスーパー&IBF世界ミドル級タイトルマッチ(9日、さいたまスーパーアリーナ)の前日計量が8日、都内で行われ、WBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(36=帝拳)とIBF同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(40=カザフスタン)はともに72・5キロでクリア。いよいよ対決ムードが高まってきた。

 この日に40歳の誕生日を迎えたゴロフキンは前日と同様、笑顔を振りまいた。主催者から誕生日プレゼントと花束を贈られると相好を崩し、対戦相手の村田とはグータッチ。会場全体が〝戦闘モード〟とは程遠い和やかな雰囲気に包まれた。

 しかし、裏の顔は違った。ゴロフキンは人一倍、新型コロナウイルスの感染に神経をとがらせ、来日後は部外者をシャットアウト。限られた人以外の接触を極度に拒み、練習以外は宿泊先のホテルから一歩も出ていない。周囲のスタッフが感染の危険が少しでもある行動を取った際、怒りをあらわにしたという。

 さらにゴロフキン陣営は、事前にリングに上がる時刻を確定させることを主催者側に要求。当日(9日)は午後6時からメインを含めて3試合がAmazonプライム・ビデオで生配信される予定だが、ゴロフキン側の要望に応える形で午後8時45分にリングに上がれる段取りを調整することとなった。

 同日はメインの前にWBO世界フライ級タイトルマッチで王者・中谷潤人(M・T)と挑戦者で同級2位の山内涼太(角海老宝石)が戦い、東洋太平洋&WBOアジア・パシフィック・ライト級王座統一戦で2冠王者・吉野修一郎(三迫)と挑戦者で元WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(横浜光)の一戦も組まれている。この2試合がどんな決着になったとしても、村田とゴロフキンのリングイン時刻を確定させるという。