歴史的勝利へ〝古巣〟が太鼓判だ。WBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(36=帝拳)とIBF同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(39=カザフスタン)の王座統一戦(9日、さいたまスーパーアリーナ)が刻一刻と近づいてきた。「ゴロフキン優位」の下馬評が大勢を占める中、ケタ違いの強さを誇ったアマ時代を知る関係者は「村田が勝つ!」と信じて疑わない。五輪金メダリストへ送られた熱烈なエールとは――。


 世紀の一戦を4日後に控えた5日、村田は都内の帝拳ジムでシャドーやミット打ちなどで調整。約1時間半にわたって汗を流した。現在の心境について「やっぱり恐怖ももちろんあるし、楽しみはあまりありません」と本音をのぞかせつつ「ゴロフキン選手が相手というのは、これまで以上に緊張感はいやがおうにも高まります」と明かした。

 国内では1990年2月の世界ヘビー級統一王者マイク・タイソン(米国)とジェームス・ダグラス(同)の一戦以来の興行規模と言われるだけに、海外からも大きな注目を集めている。過熱している勝利予想では「ゴロフキン優勢」の見方が多数。英大手ブックメーカーのウィリアムヒルは日本時間5日の時点でゴロフキン勝利が1・18倍、村田勝利が4・5倍となっており、村田のKOおよびTKO勝ちに至っては10倍という高倍率になっている。

 そうした中、村田の〝古巣〟にあたるアマチュアのボクシング界からは「村田勝利」の声が相次いでいる。2012年ロンドン五輪ミドル級金メダルに輝いた村田はアマ時代に並外れた強さでインパクトを残した。南京都高時代の村田を知る日本ボクシング連盟の菊池浩吉理事は「当時からケタ外れの骨格。ほとんどボクシングの経験がない状態で入学し、高校3冠(2年生)を達成したのは衝撃的でした」と振り返り、ゴロフキン戦へ「真っ向勝負でも世界に通用するパワーを持っていて、理論的な頭脳もある。勝ってもらいたい」とエールを送る。

 また、内田貞信会長は「世間的にどう見られているか分からないですけど、私は村田選手が勝つ可能性は十分あると思います。彼のパンチ力、ディフェンスがあれば、たとえゴロフキン相手でも通用します」と太鼓判を押した。

 果たして勝つのは「GGG(トリプルG)」か、それとも「金の王者」か。決戦の行方に注目だ。