責任は必ず果たします――。国内のプロボクシングを統括する日本ボクシングコミッション（ＪＢＣ）は３１日、新型コロナウイルス禍などによる財政難によって解散となった。同日に行われた理事会、評議員会で報告された。

　ＪＢＣはコロナ禍による収入源に加え、元世界３階級制覇王者の亀田興毅ら３兄弟が「不当な処分を受けた」として賠償を求められた訴訟の控訴審判決で、東京高裁から計約１億円の支払いを命じられたことが決定打となり、２年連続で純資産が３００万円を下回って財政破綻に至った。

　今後は清算法人として業務を遂行する一方、支援するスポンサー企業を探しながら再建を目指していくが、亀田サイドへの賠償金はどうなるのか？　会見で意志を問われた永田有平理事長は「相手方の弁護士さん（北村晴男氏）に再建計画をお話しし、必ずＪＢＣが責任を持ってお支払いするという話をするつもりです」と説明した。

　亀田側の弁護人を務める北村弁護士はかねてＪＢＣを「コンプライアンス０の団体」と痛烈に批判しており、今回の裁判でもＪＢＣの反省の念を強く求めてきた。これを受けて、永田理事長は「真摯に受け止めたい」とした上で「敗訴に対しては、そういうふうに世間的に、裁判官がそういうことを言っているわけですから、真摯にとらえざるを得ないのかなと思っています」と話した。

　なお、北村弁護士は「破産となれば１００％の損害回復はできないので、こちらとしては痛手だが仕方がない」と話していた。