東京高裁は24日、ボクシングのボクシング元世界3階級制覇王者の亀田興毅氏(35)ら3兄弟が「不当な処分を受けた」として日本ボクシングコミッション(JBC)に賠償を求めた控訴審判決で、処分を違法としてJBC側に計約1億円の支払いを命じた。

 これを受けて同日、リモート会見を開いたJBCの永田有平理事長は「主張を受け入れていただけない判決となり大変残念」とし、一審から賠償額が倍以上になったことには「ちょっと驚いている」と話した。

 JBCは2014年2月、元世界2階級制覇王者で次男・大毅氏の世界戦(13年12月)でのトラブルを巡り、亀田ジムの会長とマネジャーの資格更新を認めない決定を下した。これによって亀田3兄弟は国内での活動の場を失っていた。

 亀田側の弁護人を務める北村晴男弁護士は「選手が国内で試合を行えなくなる重大な結果を招いても、平然としている冷酷な組織」と痛烈に批判。一方、永田理事長は「我々は処分が違法だったと思っていない」とした上で興毅氏らに対して「新しいプロモーターの下で試合をするか、別のジムに移籍すれば国内でも試合ができた。彼らにも選択肢があった」と真っ向から反発。両者の言い分は平行線をたどっている。

 JBCは今後、上訴も含めて「内容を精査し、対応を考えたいと思います」としている。