WBA世界スーパーフライ級王者の河野公平(34=ワタナベ)が同級2位の亀田興毅(28)との対戦をWBAから指示されていることについて、ワタナベジムの渡辺均会長(65)は13日、交渉がほぼ合意に達していることを明らかにした。

 試合は今夏の米国開催が有力。渡辺会長は「あとは細かい条件面を詰めていく」と話したが、そのカギになるのが「30%」と「50枚」だ。

「30%」とは、外国人スポーツ選手が米国で収入を得た場合に源泉徴収される割合のこと。興毅ら亀田三兄弟は日本で試合ができない状態が続いているため、河野戦が行われる場合は米国かメキシコで、亀田兄弟が契約するプロモーター、アル・ヘイモン氏が主催する興行に組み込まれる可能性が高い。

 河野のファイトマネーを支払うヘイモン氏側にしてみれば、金額は源泉徴収込みの概念となる。だが、受け取る側からすれば「30%」を差し引いた額が念頭にある。仮にファイトマネーが15万ドル(約1800万円)だとすると、30%は日本円にして500万超にもなる。渡辺会長は「そうしたこともある」と明言を避けたが、この折り合いをどうつけるかが争点となっている模様だ。

 もう一つの「50枚」とは応援団用のチケットだ。「河野の後援者が行く時のために(招待券を)50枚ほど欲しい、と要求しているんだけど、向こうは『5~6枚しか出せない』と言っている」(渡辺会長)。会場は完全アウェーの雰囲気になることも予想されるので、応援団の数が数人と50人とでは天と地の違いがあるだけに、譲ることはできない。

 こうした点がクリアになれば「近いうちに発表できると思います」と渡辺会長。昨年3月に河野がベルトを奪取した数分後に興毅が対戦を直訴してから、実現まで1年半近くかかりそうな注目マッチ。結末はいかに?