「負けても防衛」がまさかの再戦へ? WBA世界バンタム級タイトルマッチ(9日=日本時間10日、米テキサス州ヒダルゴ)で、亀田和毅(23)は王者のジェイミー・マクドネル(29=英国)に0―3で判定負け。王座獲得はならなかった。

 和毅は3回にダウンを奪ったものの、手数で劣り、3人のジャッジ全員が「113―114」と採点。これが初黒星の和毅は「負けたとは思っていないから、悔しさもない。俺は勝ったと思っている」と強気だった。

 この試合は当初、和毅が保持していたWBO同級王座との統一戦として予定されたが、WBOの認可が下りず和毅は同王座を返上。マクドネルへの挑戦という形に変更となるドタバタがあった。判定に不服の亀田陣営はWBAに提訴して再戦を求める意向だが、米メディアによるとマクドネルは今後はスーパーバンタム級へ転級する方向で、王座は空位となる見込みだという。

 その場合は暫定王者が昇格するパターンと、ランク上位者による王座決定戦が行われるケースがあるが、WBAバンタム級では2位がリボリオ・ソリス(33=ベネズエラ)で、4位は和毅の兄の亀田大毅(26)だ。

 2人は2013年12月にスーパーフライ級の王座統一戦で対戦。この時はWBA王者だったソリスが前日計量をクリアできずに王座を剥奪された。IBF王者の大毅は判定負けを喫したものの、ソリスが前日に失格となっていたため「負けても防衛」(WBA王座の獲得に失敗)を果たし大騒動になった。興行を主催した亀田ジムは、大毅が勝敗にかかわらずIBF王座を保持することを事前に周知しておらず、この責任を問われて活動停止状態となり、亀田三兄弟が国内で試合ができなくなった因縁の試合だ。

 その両雄がこんな形で再びグローブを交えるとなれば興味深いが…。ただ、大毅は日本で試合ができないまま。海外で需要があるかはビミョーなところだ。