次は“神の右”で倒す? “神の左”を持つWBC世界バンタム級王者・山中慎介(32=帝拳)は4月16日に8度目の防衛に成功した。この時のフィニッシュは“神の左”こと必殺の左ストレートだったが、試合中は何度も利き腕とは逆の右パンチで挑戦者をグラつかせた。

 実は、これこそが練習で積み重ねてきたことだった。帝拳ジムの浜田剛史代表(54)は「山中の左は研究され尽くしてますから、右でいかに崩すかが重要になってくるんです。対戦相手が右を警戒するようになれば、左を打ち込むチャンスも増えてきますから」と説明する。

 本来は“神の左”を生かすための右だったが、その威力は想定以上。V8戦の試合中には「右で倒せ!」という指示がセコンドから出たほどだった。

 山中自身も「右でKOするのが目標」と語っていたこともあり、今後はそんなシーンが見られるかもしれない。