ボクシング界からも怒りの声が上がっている。中国のプロボクシング興行で、元WBO世界フライ級王者・木村翔(33=花形)が、対戦相手から危険な反則行為を受けた問題が波紋を広げている。  

 木村は先日、中国・武漢で、同国のユーチューバーでキックボクサーの玄武とエキシビションマッチで対戦。しかし序盤から体格で圧倒的に勝る玄武が足払いなどの反則を連発。最後は体ごと持ち上げられた揚げ句、頭から叩きつけられた。

 その後、たまらず割って入ったセコンドに救出されたが、一つ間違えれば大惨事にもなりかねない危険な行為に、ネット上では日中両国で大炎上となった。

 そんな中、ボクシング界からも怒りが噴出。WBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(ワタナベ)は自身のSNSで「足掛けて倒すのは1万歩譲っていいとして、最後の抱え込んでマットに叩き落としたやつなんなの 事故が起きても不思議じゃないぞ」「これはボクシングじゃない」と憤りを見せると、元3階級制覇王者の田中恒成(畑中)は「約20キロの体重差で、反則なんか完全無視の世界。(中略)かなりイラっとする動画」とツイートした。

 さらに7月に引退した、元日本スーパーライト級王者・細川バレンタインも自身の動画で、ルールの詳細が視聴者などに明かされていなかった点について「当たり前にやった反則からいくとレスリングありのボクシングルールと思っていた可能性はある。でも(試合後に木村に対して中国のファンも)いっぱい『ごめんね』って書かれているということは少なくとも視聴者は知らなかった人が多いということ。終わってから相手の選手が中国の国旗をはおっている。日本なら暴動が起きるだろ。(中国人)全員が全員じゃない。でも相手がそれで平気でいられる、それがまかり通る文化だということが問題があると思う」と不満をぶちまけた。

 木村本人はSNSで意に介していないと強調するが、この問題はしばらく尾を引きそうだ。