世界バンタム級戦線がさらに混とんとしてきた。WBO世界同級1位のポール・バトラー(英国)と同級8位のジョセフ・アグベコ(ガーナ)の間で行われるはずだったWBO世界同級暫定王座決定戦(11日=日本時間12日、UAE・ドバイ)が中止となった。試合に先駆け、興行を主催する新興プロモート会社「プロベラム」が公式ツイッターで「ポール・バトラーとジョセフ・アグベコのWBOバンタム級暫定タイトル戦は、今夜のイベントではもう行われない」と発表していた。

 当初、この興行はWBO世界同級王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)がバトラーを相手とするV5戦となるはずだった。しかしカシメロがウイルス性胃炎などを理由に前日計量を欠席したため中止。代替カードとしてバトラーVSアグベコが組まれていた。

 カシメロはWBOから10日以内の医療機関による診断書の提出を命じられ、医学的根拠を証明できなかった場合は王座を剥奪されるとの措置が取られていた。ベルト剥奪となった場合、WBOは暫定王者となった者を正規王者として昇格させるとしていた。

 今後はWBOの措置やカシメロ陣営の動向が注目されるが、アラン・ディパエン(タイ)との防衛戦(14日、東京・両国国技館)を目前に控えるWBAスーパー&IBF世界同級統一王者の井上尚弥(大橋)の4団体統一ロードに大きな影響を与える。世界同級戦線が本格的にこん沌としてきた。