ついに断が下された! 9月22日のWBC世界ライトフライ級タイトルマッチの〝バッティング騒動〟で遺恨を残した前王者・寺地拳四朗(29=BMB)、現王者・矢吹正道(29=緑)の両陣営が15日、大阪府内で記者会見を開き、来春に再戦することを発表した。

 会見には同試合プロモーターの真正ジム・山下正人会長、拳四朗の父でBMBジムの寺地永会長、矢吹陣営の緑ジム・松尾敏郎会長が出席。山下会長は世界ボクシング評議会(WBC)から「再戦指令」があったことを明かし、両陣営も再戦で合意した。山下会長は「かねてマスコミで報道されていましたが、11月10日にWBCのスライマン会長からレターが届き、再戦命令がきました」と経緯を説明した。
 
 だが、拳四朗陣営の「故意のバッティング」の指摘について、松尾会長は「あんな素晴らしい試合はなかった。その場で言われるなら納得だが〝故意のバッティング〟という文言に対しては納得がいかない。選手はあれだけ命懸けでやっている。流れの中の行為であり、故意と言われて『はい、そうですか』と言うことはできない」と疑問を呈した。一方の寺地会長は「我々陣営は考えが変わっておりません」とキッパリ。「ただ、再戦命令が出たことでもう一度、戦って素晴らしい試合ができたらいいと思います。お互いに譲れない部分があるが、よろしくお願いします」と話すと、松尾会長は「そう言われると、はい…と言わざるを得ない」と苦笑。最後は両陣営が笑顔で再戦を快諾した。

 同試合では第9R残り1分48秒、矢吹のヒッティングによって拳四朗が右目上をカットして大流血。拳四朗はTKO負けを喫してV9を逃し、試合後に10針以上を縫う事態となった。後日、この映像がスローモーション付きでSNSで拡散されると「故意のバッティングだ」との指摘が広がり、拳四朗陣営は辻口信良弁護士を通して日本ボクシングコミッション(JBC)および同試合スーパーバイザーの安河内剛氏へ「バッティングは故意ではないか」との趣旨の意見書を提出。新王者の矢吹は一転してバッシングの対象となり、英大手プロモーターとの契約が白紙になるなど大騒動に発展していた。