WBOアジアパシフィックスーパーウエルター級王者の井上岳志(31=ワールドスポーツ)が、ボクシング人生を懸けた大一番への意気込みを語った。

 11月17日にオーストラリア・シドニーでWBO世界同級1位ティム・チュー(26=オーストラリア)との対戦が決定。元世界統一スーパーライト級王者のレジェンド、コンスタンチン・チューの息子で、スーパースター候補の呼び声が高い強敵との試合は、勝てば相手が持つ指名挑戦者の権利を奪取できる重要な一戦だ。

 15日にオンラインで会見した井上は「(11月に)日本でも試合が決まっていたのでいいのかなと思ったけど、こんなチャンスは二度とないと思ったので、挑戦を決めた。すべてを懸けて臨みたい」と決意を述べた。

 2019年1月に当時WBO世界スーパーウエルター級王者だったハイメ・ムンギア(メキシコ)への挑戦以来となる、世界的な強豪との試合だ。ムンギア戦は判定負けを喫したが、善戦で評価を上げた。再起後は4連勝としたが「前回(ムンギア戦)の試合みたいに善戦で終わってよかったというレベルじゃない。度肝を抜くような結果を出したい」と次戦でその悔しさをぶつける思いは強い。

 7月には単身で英国合宿を敢行。初の海外キャンプで世界ランカーとスパーリングを行う中で「自分のフィジカルは通用すると感じた。ジャブも自信になった。そこで足りないと感じたものを合宿後に補う練習ができた。成長できた」と大きな手応えを得て決戦を迎える。

「スピード、パワーと全体的にバランスがいい」とティムを警戒しつつも「自分のようなタイプとはやったことがないはず。相手はガードが広がっているところがある。いい距離での右ストレートが通れば」ときっぱり。世界でも知名度が高い相手を下して、一気に同級の世界戦線へ食い込んでいく。

 なお、今回はティムが保持するWBO同級グローバル王座のタイトル(12回戦)のみが懸けられる。