ボクシング元世界3階級制覇王者の田中恒成(26=畑中)が24日にオンライン会見を行い、再起戦への意気込みを語った。

 所属ジムの畑中清詞会長は、12月11日に愛知・名古屋国際会議場でIBF世界スーパーフライ級5位の石田匠(井岡)と対戦すると発表。世界同級王者の井岡一翔(志成)に敗れて以来、約1年ぶりの試合が決定した田中は「世界王者を除いて、この階級では実績、実力もあり一番強い選手。今の自分がどれだけ通用するか純粋に楽しみ」と腕をぶした。

 プロ初黒星となった井岡戦後は、ガードを高くすることを課題に挙げて取り組んできた。「そこからいろんな部分に広がってきた。距離感など攻撃にまでトータルでレベルアップできた。しっかり組み立てた上でKOで仕留めきることができたら」

 2人の選手からも大きな刺激を受けた。まずは東京五輪の男子フライ級で銅メダルを獲得した兄の田中亮明(岐阜・中京高教)だ。同級では61年ぶりに日本にメダルをもたらした快挙を目の当たりにし「僕が選手としてやっている中で、他の選手をあそこまで応援できたのは初めて。今までにない刺激を受けた。僕も次の試合でいろんな人に感動を与えたい」と語った。

 また22日のWBC世界ライトフライ級王座戦では、矢吹正道(緑)が寺地拳四朗(BMB)からベルトを奪取した。試合前にスパーリングを行うなど後押しした選手が世界王者になったことを「拳四朗選手も負けようがない絶対王者。難しいなと思っていたが一発勝負で勝った。だからこそすごい」。次は自身が再起戦を制し、世界戦線への再浮上を狙う。