WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(32=志成)が、同級2位のフランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(メキシコ)とのV3戦(9月1日、大田区総合体育館)の前日計量に臨み、リミットの52・1キロで1発クリアした。

 挑戦者のロドリゲスも400グラムアンダーの51・7キロで計量をクリア。両者ともに新型コロナウイルスのPCR検査も陰性が確認された。

 昨年大みそかに田中恒成(畑中)を8回TKOで下しV2に成功して以来の試合は、国内の世界戦としては初の無観客開催となる。〝ドーピング騒動〟も経ての再出発に「みんなで協力して戦う状況を作ってくれてるので。会場に関係者、僕と対戦相手だけという状態で、テレビで見てもらえることになると思うんですけど、(試合を)できるということがありがたいこと。感謝して戦う気持ちと、やる以上は必ず意味をなさなければならない。何かが伝わる、与える試合をしたいと思います」と闘志を燃やした。

 同じく無観客で開催された東京五輪を観戦して大きな刺激を受けた。とりわけ好きな野球やサッカーに熱視線を注いでいたという一翔は「どの競技も素晴らしい活躍で、アスリートとしてすごくコンディションだったり、試合にあたって大変なことって伝わったと思うんですけど。そのなかで結果を出す、五輪の舞台で挑戦する選手の皆さんに力をもらえた」。

 ボクシングでも女子フェザー級で入江聖奈(日体大)が金メダルを獲得するなど、アマチュア選手たちが競技の魅力を伝えた。一翔は「アマチュアの選手が活躍することでボクシングも盛り上がるんで。うれしい気持ちと、プロの現役の世界王者としてより盛り上げないといけない。僕も頑張らないといけないなって気持ちになりましたし。そういった意味でも刺激をもらったので、次は僕が返す番だと思います」と、改めて必勝を誓っていた。