“KOダイナマイト”ことWBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志(35=ワタナベ)がジャーナリストの池上彰氏(64)、テレビアニメ「妖怪ウォッチ」と並び“テレ東の3大エース”に指名された。テレビ東京で中継された先月31日のV9戦の視聴率は同局の大みそか番組で史上最高をマーク。いまやテレ東の誇る看板選手になった内山には今年、試合数増加が求められている。(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)

 昨年大みそかに行われたWBAスーパーフェザー級のV9戦では、イスラエル・ペレス(35=アルゼンチン)に9回終了TKO勝ち。テレ東で中継された試合の平均視聴率は5・6%で、同局の大みそかとしては史上最高の数字を記録した。

 内山が初めて大みそかに試合をしたのは2011年のV4戦。この時の視聴率は4・2%で、12年からは毎年「史上最高」を更新している。これにより、テレ東関係者は「内山戦は池上氏の『選挙特番』と『妖怪ウォッチ』と並ぶ3大エースです」と断言する。

 アニメ「妖怪ウォッチ」は、関連グッズの入手が困難で社会現象にもなっている子供に人気ナンバーワンの番組。また池上氏が司会を務める選挙特番は毎回好評で、昨年12月14日の衆院選でも民放トップの数字を記録した。内山戦も同様に数字の稼げるコンテンツになったわけだが、昨年はマッチメークがまとまらないうえに右拳を負傷した影響もあってわずか1試合にとどまった。テレ東が望むのは、もちろん試合数の増加だ。

 内山は13日、練習を再開。テレビ局の要望に応えるかのように、改めて「今年は2、3試合ぐらいできれば」と口にした。年間3試合となれば、王座を獲得した10年以来となる。所属ジムの渡辺均会長(65)も「理想は次を5月にやって、その次を8~9月。そして大みそか」との青写真を描いている。

 もちろん試合ごとに進化した姿を見せなければ数字もついてこない。そのため、内山は米ラスベガスを候補地に初の海外キャンプに意欲を示し「いろんな選手とスパーリングがしたい。日本にいないタイプのパンチを持った選手がいるかもしれないし、強い選手がいるところで練習してみたい」。これまで世界戦を10回戦い、8回のKO勝利を成し遂げたKOダイナマイトは“テレ東のエース”の称号にふさわしいファイトを見せる。