WBC世界ライトフライ級王者・寺地拳四朗(29=BMB)が、矢吹正道(29=緑)とのV9戦(9月10日、京都市体育館)の圧勝を誓った。試合まで1か月を切り、本紙の取材に応じた王者は死角なしをアピール。WBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(32=志成)と自身の「共通点」を挙げたほか、元WBA同級王者の具志堅用高氏が持つ国内最多防衛記録13回の「更新後」についても言及した。

 ――世界王者となって地元京都での試合は初

 拳四朗 圧勝を見せたい。より地元の方が来てくれると思うんで、めちゃうれしいですね。

 ――ここまでの調整は

 拳四朗 スパーリングは1日多くて10回くらい。いい仕上がりにはなってきていますが、まだ完成という感じではないです。
 ――最後のピースは

 拳四朗 今でも十分勝てる仕上がりではあります。仕留めるまでの流れはあるんですが、最後の仕留め方が完璧じゃないという感じ。(KOを)狙うというよりは、自然とそうなる感じですね。

 ――前戦のテーマは「復活」と「恩返し」だった。次戦の位置づけは

 拳四朗 恩返しは今回も一緒なんですけど、より自信に満ちあふれている。前回は少し不満があって、冷静な判断もあまりできていなかったかな。慎重すぎたところもある。完全なものを出し切っていなかった。

 ――取り組んでいた重心を下げるスタイルへの手応えは

 拳四朗 まあできていたと思う。今回も下げるつもりはあるが、もう少し足を使いたい。パンチを打った後に足が止まって、その場にいたのが多かった。次はより完成された動きを見せたい。

 ――矢吹の印象

 拳四朗 加藤健太トレーナー(三迫)と映像を何回か見た。カウンターパンチャーですかね。でも、パッと見て勝てると思いました。序盤でペースはつかめるだろうと。プレッシャーをかけ、じわじわメンタルを削っていく感じで、最後は相手が何をしていいのか分からなくなる展開になると思います。

 ――ところで一翔を見本にしているという話を聞いた。どういうことか

 拳四朗 井岡選手は試合のつくり方がうまいので、参考にする部分はあります。大きく見て通ずるものがあると思っています。
 ――具体的には

 拳四朗 戦い方の流れとかです。自分の戦い方がぶれないというか、変に相手に合わせたりしない。自分のペースでずっとできる。(開始から終了まで)それを続けて相手をのみ込んでいける。ただ相手がガンガン攻めてくる時とか、相手に合わせて動かなければいけない時もあるが、それは「打たせている」というイメージ。

 ――なるほど

 拳四朗 そこでいかにジャブを打つか。そうして主導権を取っていきたいんです。それも含めて前回より完成されたボクシングで圧勝するんで、ぜひ見ていただけたらうれしい。そして年内にV10をやりたいです。

 ――防衛記録V13とともに気になるのはWBA同級スーパー王者の京口紘人(ワタナベ)との日本人王者対決だ

 拳四朗 (主要4団体の王者)全員とはやりたいです。ただ、今は外国人を日本に呼ぶのはまだ難しい。となったら、そこしかないし一番やりやすいと思うんだけど…。とにかく早くやりたいですね。

 ――BMB会長で父の寺地永氏は「目標のV15まで達成したら一つ区切りをつけてもいいのでは」とも言っている
 拳四朗 その時にまた考えます。(競技から離れる)その可能性もあるかもしれませんが、相応のファイトマネーを得られるのならまだやります。でもそこまでいって稼げなかったら、もう