大みそかに東京・大田区総合体育館でV9戦に臨むWBA世界スーパーフェザー級王者・内山高志(35=ワタナベ)が29日、絶対王者の風格を見せつけた。

 この日の調印式では、同級8位の挑戦者イスラエル・ペレス(35=アルゼンチン)が約40分も遅刻する珍しいハプニングが発生した。宿泊先からのシャトルバスにトラブルがあった模様だが、ペレスは悪びれる様子も一切ないどころか「内山よりも自分が経験で勝っているし、5R以内に倒したい」と過激な挑発を繰り出した。

 しかしそんな挑戦者を相手にしても、長期政権を築く内山は泰然自若。「練習でしっかりやってきたことを出せれば問題なしかなと思う。どういう戦法で来ても問題ない。チャンスがあれば倒しにいく」と腕をぶした。渡辺均会長も「ほえる何とかは強くないですよ。内山ならやってくれる」と絶対の信頼を寄せた。

 試合当日は、テレビ東京の番組で対談した卓球の石川佳純(21)も応援に駆けつける予定だ。内山は「元気で明るい子なんで力をもらいましたね。楽しんでもらえれば」と余裕をのぞかせ、4年連続の大みそか決戦の必勝を誓った。

 またWBA世界スーパーフライ級王者・河野公平(34=ワタナベ)は同級5位ノルベルト・ヒメネス(23=ドミニカ共和国)とのV1戦に向け、「前回王者だった時は達成できなかったので、何が何でも初防衛する」と豪語。WBA世界ライトフライ級王者アルベルト・ロセル(35=ペルー)に挑戦する田口良一(28=ワタナベ)も「勝って先輩2人につなげたい」と力強く宣言した。