2階級制覇のかかったWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ(30日、東京体育館)を翌日に控え、前WBCライトフライ級王者・井上尚弥(21=大橋)が29日の計量をリミットの52・1キロでパスした。

 一気に2階級上げて現在11度防衛中の王者オマール・ナルバエス(39=アルゼンチン)に挑む井上は「自信しかないですね。ベストな体重、練習ができた。(減量苦に悩まされた)ライトフライ級の時は『これで動けるのか』という感じだったので」とキッパリ。「挑戦の1年だったので、2階級制覇で終わりたいです」と国内最速、8戦目での偉業達成に闘志を燃やした。

 ベストウエートと豪語するスーパーフライ級では、具志堅用高氏(59)の持つ世界王座連続防衛記録V14も視野に長期政権を狙う意向だ。

 また、かねて“怪物対決”が期待されるWBCフライ級王者ローマン・ゴンサレス(27=ニカラグア)が来年には4階級制覇を目指す動きもあり、井上が標的になる可能性もある。

 実現すれば軽量級のドリームマッチとなるだけに、井上は「来年の大みそか? いいですね。それまで勝ち続けられれば」と目を輝かせた。強気のマッチメークを続ける大橋秀行会長も「(井上が王者の場合は)謹んでお受けします」と前向きな姿勢だ。

 WBC世界ライトフライ級王座決定戦で同級1位のペドロ・ゲバラ(25=メキシコ)と対戦する八重樫東(31=大橋)も48・7キロで一発でパス。162ポンド(73・48キロ)契約でプロ6戦目(VSジェシー・ニックロウ)に臨むロンドン五輪ミドル級金メダリスト・村田諒太(28=帝拳)も73・0キロで計量を終えた。